黒潮は、概ねC型で推移

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 平成26年3月20日に4月~7月の海況予測の見直しが水産庁より発表されました。これにより黒潮は、引き続きC型基調で推移する予報となっています。

 

海況の現況

  黒潮は、1月以降C型で推移してきました。伊豆諸島北部海域は広く冷水域に覆われ、各島の定地水温は「平年並み」~「極めて低め」で経過しました。3月中旬頃から、伊豆諸島の東西に冷水域が形成され、黒潮はW字状に流去しました。現在、黒潮は伊豆半島沖32°30′N付から北東へ流れ、八丈島から御蔵島の間を通過して房総半島沖へ流去しています。

図1 関東・東海海況速報(平成26年3月24日)

図1 関東・東海海況速報

(平成26年3月24日) 

 

海況予測(平成26年4~7月)

   

 現在、黒潮は都井岬~足摺岬では接岸、室戸岬~潮岬ではやや離岸、伊豆諸島海域では八丈島の北を通過しB型となっています。このB型流路は一時的なもので、4月上旬には再びC型流路となり、その後はC型基調で推移する見込みです。
 前回12月の予報会議の結果では、3月に小蛇行が形成され、5月には一時的にB型になることが予測されていましたが、3月の小蛇行の形成は 今のところ認められていません。今後、小蛇行が形成されたとしても規模は小さく、2ヵ月後の伊豆諸島海域での黒潮の流路変動については、今回(3月下旬)程度の流型変化にとどまる見通しです。
 一方、6月には都井岬沖で新たな小蛇行の形成が予測されました。

 

伊豆諸島北部海域の海況見通し 

 伊豆諸島北部海域では、黒潮の一時的な流型変化によって暖水波及が見られます。しかし、今後も黒潮内側の冷水域に入ることから、今後の沿岸水温は、「平年並み」~「低め」で推移し、暖水波及時には「高め」となる模様です。

 

図2 黒潮流路の代表的なパターン

 図2 黒潮流路の代表的なパターン 

A型:八丈島の北を通過

   136E以東で32N以南まで蛇行

B型:八丈島の北を通過

流路の南端が32N以北かつ33N以南

C型:八丈島の南を通過

D・N型:八丈島の北を通過

   流路の南端が33N以北

(注:海上保安庁海洋情報部HPより転載)