PDFはこちら 大島事業所トピック No.356 [258KB pdfファイル] 

 

 平成26年6月及び7月に大島におけるアントクメの生息状況を調査しました。今年は元町・野増地区を中心とした島の西側漁場で繁茂が確認されました。特に元町地区では海藻の平均的な長さが57.9㎝でありこれまでの調査の中で最大を記録しました。

 

アントクメとは?

 アントクメ(写真1)はコンブの仲間の海藻で、静岡県の伊豆半島から鹿児島県の種子島周辺までの比較的温かい海に分布しています。大島では別名「ヒロメ」の愛称で親しまれており、海藻サラダや味噌汁の具として食べられています。また、サザエやアワビといった貝類のエサとなることから水産業上重要な海藻とされています。かつて大島の海では、春ごろになるとアントクメの大繁茂が普通に見られました。しかし、近年の生育状況は芳しくなく水産業への影響が懸念されています。

 

写真1 着生するアントクメ

写真1 着生するアントクメ  

 

生息状況の潜水調査

  平成26年6月(10、24日)、7月(2、3、4日)に岡田・泉津・元町・野増・波浮地区においてアントクメの生息状況を潜水により調査しました。調査の結果、元町・野増地区を中心とした島の西側で良好な繁茂状況でした(写真2)。特に元町地区のアントクメは非常に大きく育っており、中には長さが90㎝を超える大きなアントクメも見られました(写真3)。また、昨年は着生が見られなかった岡田地区において繁茂が見られた一方で、昨年着生が見られた泉津地区において着生は見られませんでした。
 大島事業所では、アントクメが繁茂する漁場の復活を目指して生態の解明等の調査を続けていきます。

写真2 一面に繁茂する元町のアントクメ

写真2 一面に繁茂する元町のアントクメ


写真3 長さが90cmを超えるアントクメ

写真3  長さが90cmを超えるアントクメ