大島事業所トピック№398 大島テングサ漁業のご紹介

大島事業所トピック№398 大島テングサ漁業のご紹介

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テングサは寒天やところてんの原料となる海藻で、伊豆諸島の名産品です。大島では4月~10月が漁期で、今は漁の最中です。大島におけるテングサの出荷手順と品質管理について、漁業者の取組みをご紹介します。

テングサの出荷手順

①出漁 晴れた凪の日の朝、テングサを採りに行きます。大島では多くが素潜りですが、潜水器を使う漁業者もいます。

②天日干し 日中、港に持ち帰ったテングサを地面に広げ、天日干しにします(写真1)。晴れた日の大島では浜の各所でこのような光景を見ることができます。

③掃除 テングサの根元には海の中で付着した貝や小石が残っているため、乾燥したテングサを木槌で叩き、丁寧に取り除きます(写真2)。

④梱包 乾燥してきれいになったテングサは、夕方までに回収して倉庫にしまいます。後日、30㎏を一纏めとし、梱包機で圧縮して出荷します。

1.jpg写真1 天日干しにされるテングサ

2.jpg写真2 木槌で付着物を叩き落す作業

テングサの品質管理

テングサは海藻の種類と処理方法により複数の銘柄に分けられます。大島における代表的な銘柄に、「天赤(荒)」(写真3)、「天赤」、「天晒(荒)」(写真4)があります。

「天赤(荒)」は、浜でアラと呼ばれるオオブサという種類のテングサが使われます。最も上質な寒天製品ができることから、高い価値で扱われる、伊豆諸島の代表的な銘柄です。

「天赤」は、浜でキヌと呼ばれるマクサという種類のテングサが使われています。

「天晒(荒)」は、天日干しの際に、繰り返し真水をかける「晒し(さらし)」という作業を行ったオオブサです。晒しを行うと赤いテングサはあめ色に変化し、そのまま煮立たせれば透明感のある、ところてんが出来上がります。晒しは手間と時間がかかりますが、その分、高い価値で取り扱われます。

各銘柄は品質の優良により一等~三等の等級がつけられ、さらに産地によっても区別されます。

銘柄数は10種類を超え、入札によって全国の業者に取引されます。

3.jpg  写真3 「天赤(荒)」

4.jpg写真4 「天晒(荒)」

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