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黒潮は大蛇行が継続し、概ね A 型基調で推移する

令和３年３月 29 日に、令和３年４～７月 の海況予報が水産研究・教育機構より発表 されましたので、お知らせします

海況の現況と経過

【現況】　黒潮は、平成29年の８月以降、３年７月大蛇 行が続いています。３月23日現在、黒潮は室戸 岬沖から大きく離岸し、遠州灘沖で30°30'Ｎ 付近まで南下した後、鳥島と青ヶ島の間を通過 し、伊豆諸島の東側を北上した後、房総沖を流れ ています（図１）。

図１　関東・東海海況速報（令和3年3月23日）

【経過】　 １月初めに暖水を遠州灘沖で分離し、黒潮は 八丈島の東側～三宅島の東沖を北上し、房総半 島沖を北東に流去しました（図２）。中旬には 八丈島の西沖～房総沖を北東に通過する流路と なりましたが、次第に房総半島沖で冷水域が発 達し、遠州灘沖と房総半島沖の冷水を迂回する W字状の流路となりました（図３）。

図 ２　令和3年１月７日

図３　令和 ３年１月18日

２月中旬、黒潮は青ヶ島付近から大王崎沖に接 近した後、東南東に向きを変えて御蔵島付近を 通過しました（図4）。３月初めにS字状となって いた暖水を遠州灘沖で分離し、３月中旬には伊 豆諸島の東沖を北上する流路となりました。

図４　令和３年２月26日

海況予測（令和 3 年 4～7 月）

令和 3 年４～７月は大蛇行が継続し、概ね A 型流路で推移します。伊豆諸島では概ね西側を北 上しますが、一時的に東側を北上することがあり ます。

伊豆諸島北部海域の海況見通し

伊豆諸島北部海域の沿岸水温は、蛇行北上部が 伊豆諸島の概ね西側を北上することから伊豆諸 島北部全体に暖水が波及し、高め傾向となること が推測されます。

図 5 黒潮流路の代表的なパターン Ａ型：32°N 以南まで蛇行（海上保安庁 HP より）