大島事業所トピック№420 令和7年4~7月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し

大島事業所トピック№420 令和7年4~7月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し

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黒潮は大蛇行が継続。

令和7年3月に長期漁海況予報会議が開催され、水産研究・教育機構より、令和7年4~7月の海況予報が発表されましたので、お知らせします。

海況の現況と経過

【現況】黒潮は紀伊半島沖で北緯30°付近まで南下し、御前埼沖をS字状に北上した後、御蔵島付近を通過し、房総沖半島を北東に流去しています(図1)。

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図1 関東・東海海況速報(令和7年3月25日)

 

【経過】1月前半の黒潮は石廊埼沖をS字状に北上して御蔵島付近を通過する流路で経過しました。1月下旬以降は大王崎沖から北東に進んで御蔵島以南を通過しました。(図2)。1月前半のS字流路が解消した後は北部への暖水波及が弱まり、水温が低下しました。2~3月の定地水温は今回の大蛇行では平成30年に次いで2番目の低水温となりました(表1)。

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図2 関東・東海海況速報(令和7年1月8日および2月13日)

 



表1 令和7年の各島月別平均定地水温(℃)
1月 2月 3月
 大島 17.2(17.1) 16.0(16.5) 15.8(16.7)
 新島 18.2(18.1) 17.0(17.3) 16.9(17.8)
 三宅島 19.1(18.9) 17.9(18.4) 17.6(19.0)
 ()内は今回の大蛇行(平成30年~令和6年)での平均
 3月の水温は25日までの平均

海況予測(令和7年1月~6月)

平成29年から続いている大蛇行は、今回も収束の兆候を確認することができませんでした。引き続き、令和7年4~7月は大蛇行が継続し、A型流路で推移すると予測されました(図3)。蛇行北上部は概ね伊豆諸島海域の西側に位置し、熊野灘~遠州灘に近づくことがあります。

伊豆諸島北部海域の海況見通し

伊豆諸島北部海域の沿岸水温は、黒潮が概ね伊豆諸島の西側を北上することから、暖水に覆われ、高め傾向となることが推測されます。そうしたことから概ね「やや高め」~「きわめて高め」と予想しています。
※ 「平年並」=平年値±0.5℃程度、「やや高め」=平年値+0.5~1.5℃、「きわめて高め」=平年値+2.5℃以上

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図3 黒潮流路の代表的なパターン

A型:32°N以南まで蛇行(海上保安庁HPより)

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