大島事業所トピック№417 令和6年8~12月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し

大島事業所トピック№417 令和6年8~12月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し

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黒潮は大蛇行が継続。発生から7年長へ。

令和6年7月に長期漁海況予報会議が開催され、水産研究・教育機構より、令和6年8~12月の海況予報が発表されましたので、お知らせします。

海況の現況と経過

【現況】黒潮は遠州灘沖で大きく離岸し、石廊埼沖を北上して三宅島付近を通過し、房総半島沖を北東に流去しています(図1)。また九州南東部の都井岬沖も大きく離岸しています。。

関東・東海海況速報(令和6年8月1日)

図1 関東・東海海況速報(令和6年8月1日)

【経過】3月下旬に黒潮の蛇行北上部がS字状となりました(図2左)。やがて八丈島の南東部を迂回する流路になりました(図2右)。4月中旬に八丈島の南東部の冷水域を切り離しました。その後は概ね遠州灘沖で大きく離岸し、石廊崎沖を北上して三宅島付近を通過し、房総半島沖を北東に流去する流路となっています(図1)。

関東・東海海況速報(令和6年3月27日:左、4月14日:右)

図2 関東・東海海況速報(令和6年3月27日:左、4月14日:右)

海況予測(令和6年8月~12月)

平成29年から続いている大蛇行は、今回も収束の兆候を確認することができませんでした。引き続き、令和6年8~12月は大蛇行が継続し、A型流路で推移すると予測されました(図3)。蛇行北上部は概ね伊豆諸島海域の西側に位置します。九州南東部の小蛇行の発達に伴い、一時的に蛇行北上部の流路が変動することが予測されます。

伊豆諸島北部海域の海況見通し

伊豆諸島海域の沿岸水温は、黒潮が概ね伊豆諸島の西側を北上することから、暖水に覆われ、高め傾向となることが推測されます。そうしたことから「やや高め」~「きわめて高め」(※)と予想としています。

※「平年並」=平年値±0.5℃程度、「高め」=平年値+1.5~2.5℃、「きわめて高め」=平年値+2.5℃以上

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図3 黒潮流路の代表的なパターン

A型:32°N以南まで蛇行(海上保安庁HPより)

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