大島事業所トピック№419 令和7年1~6月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し

大島事業所トピック№419 令和7年1~6月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し

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黒潮は大蛇行が継続。

令和6年12月に長期漁海況予報会議が開催され、水産研究・教育機構より、令和7年1~6月の海況予報が発表されましたので、お知らせします。

海況の現況と経過

【現況】黒潮は遠州灘沖で大きく離岸し、石廊埼沖を北上して三宅島付近を通過し、房総沖半島を北東に流去しています(図1)。

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図1 関東・東海海況速報(令和6年12月23日)

 

【経過】8月以降の黒潮は概ね石廊埼沖を北上して三宅島~御蔵島付近を通過する流路で経過しました。9月中旬には野島埼沖を北上し、伊豆諸島が一時的に黒潮の内側域となる流路となりました(図2)。また、定地水温は記録的な高水温となりました。大島の定地水温は9~11月、式根島は8月と11月、新島・神津島・三宅島は8~11月の月別平均水温が過去最高となりました(表1)。

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図2 関東・東海海況速報(令和6年9月18日)

 

表1 2024年の各島月別平均定地水温(℃)
8月 9月 10月 11月
大島 26.8(24.5) 26.0(24.6) 25.1(22.8) 23.2(20.6)
新島 29.6(24.6) 28.3(24.4) 26.6(22.8) 24.4(21.0)
式根島 29.4(25.0) 27.7(24.8) 25.7(23.1) 24.3(21.3)
神津島 29.9(25.8) 28.4(25.1) 27.0(23.2) 24.9(21.5)
三宅島 29.0(26.7) 28.3(26.0) 26.7(23.9) 24.7(22.1)
()内は1991-2020年の30年平均水温 赤字は過去最高水温

海況予測(令和7年1月~6月)

平成29年から続いている大蛇行は、今回も収束の兆候を確認することができませんでした。引き続き、令和7年1~6月は大蛇行が継続し、A型流路で推移すると予測されました(図3)。蛇行北上部は概ね伊豆諸島海域の西側に位置します。

伊豆諸島北部海域の海況見通し

伊豆諸島北部海域の沿岸水温は、黒潮が概ね伊豆諸島の西側を北上することから、暖水に覆われ、高め傾向となることが推測されます。そうしたことから概ね「やや高め」~「きわめて高め」と予想しています。
※ 「平年並」=平年値±0.5℃程度、「やや高め」=平年値+0.5~1.5℃、「きわめて高め」=平年値+2.5℃以上

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図3 黒潮流路の代表的なパターン

A型:32°N以南まで蛇行(海上保安庁HPより)

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