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小笠原諸島におけるアカハタは、代表的な漁業対象種であるとともに、遊魚でも人気の高い重要な水産資源です。しかしながら、近年、資源の減少が懸念されてきたため、適切な資源管理が必要となってきました。そのため、当センターでは、地元漁協のアカハタ水揚量と、父島沿岸域で採集したアカハタの計測および耳石や生殖腺(精巣や卵巣)の観察から、成長、寿命、成熟年齢、産卵期、漁獲開始年齢、漁獲尾数などの資源管理に必要な知見が明らかになりました。
小笠原における重要な漁獲対象種であるメカジキについて漁業の効率化を図るため、漁場位置と環境情報の収集を行ない、漁場予測の指標性を検討しました。その結果、海洋に点在する中規模渦と漁場形成との関係性をある程度把握し、海面高度データがメカジキ漁場予測の指標となる可能性があることがわかりました。
大島事業所では、キンメダイの移動経路等を把握するため、伊豆諸島北部海域において、標識を装着したキンメダイの放流を実施し、再捕※1の情報を収集してきました。平成12年から開始した標識放流の実績は、合計1,359尾となり、これまでに47尾が再捕(再捕率※23.5%)されました。今回、これらの結果を取りまとめましたので報告します。
平成24年3月に竣工した漁業調査指導船「みやこ」(図1)は、広域漁業調査指導船として東京都の広大な海域(わが国の排他的経済水域の38%)を網羅し、調査や漁場監視を行う使命を担っています。平成24年7月に連続15日間、伊豆諸島から南鳥島そして沖ノ鳥島までの総計3,620マイル(約6,697km)に及ぶ海域において、新たに導入した観測機器類を用いた各種データ収集やサンプルの採集を行いました。
小笠原群島周辺の深海域に、これまで知られていなかった水産上有用な甲殻類が生息することが明らかとなった。これらは簡易な汎用カゴ漁具で漁獲可能であり、現在のところまったく利用されていないことから、将来有望な新しい水産資源として期待できる。 実施機関:小笠原水産センター 事業名:小笠原海域漁業調査指導
小笠原諸島海域に生息するアカレンコについて漁業・資源学的解析を行った。 2000年3月から2001年6月の期間に小笠原父島列島周辺で漁獲されたアカレンコの尾叉長範囲は17.8cmから39.6cm、平均値は31.1cmであり、大型個体ほど雄の割合が高くなる傾向がみられた。また、生殖腺塾度指数の季節変化から本種の産卵期は年1回の3月から6月と考えられた。 実施機関:小笠原水産センター 事業名:小笠原海域漁業調査指導
小笠原海台東海山周辺と七島・硫黄島海嶺海形場周辺の水深620m付近で合計335尾のキンメダイを漁獲した。体重2kgを越える個体も含まれ、大きさ、体色ともに非常に良好で、伊豆諸島海域で漁獲されているものと比較して遜色なく、未利用資源として期待される。 実施機関: 小笠原水産センター 事業名: 小笠原海域漁業調査指導
アカハタ自主禁漁海域である聟島列島嫁島周辺と自由漁業海域である父島列島西島周辺について資源管理を実施した結果、禁漁区域漁場の資源量は自主漁業海域に比べ多く、平均全長でも1.3cm大きく、禁漁の効果が確認された。 実施機関: 小笠原水産センター 事業名: 小笠原生息環境調査
小笠原海域で採集されたアカハタ親魚から種苗生産を行い、平成10年度から2年連続して万単位の大量種苗生産に成功した。平成11年度は生産された稚魚に標識を装着して禁漁区等に放流し、効果判定を行った。 実施機関: 小笠原水産センター 担当者: 川辺勝俊・木村ジョンソン・山本貴道
小笠原近海で漁獲されるキハダの幼魚を海面生簀で蓄養し、成長過程と肉質の変化について調査し、本州市場に試験出荷した。約5kgの幼魚が1年半の蓄養で20kgから30kg以上に成長した。肉質は給餌量、給餌回数の調整により改善され、市場では1000円/kgから2000円/kgの値が付いた。 実施機関: 小笠原水産センター 担当者: 山本貴道・錦織一臣・龍 岳比呂*
アフリカマイマイは、依然として父島では分布域が限られ低密度、母島においては島全体に高い密度で生息しています。母島では蔵卵個体の存在が続いており、今後の経過観察と、国指定天然記念物の固有陸産貝類に配慮した防除対策が必要です。
小笠原諸島において島レモンと呼ばれて親しまれている「菊池レモン」は、本研究で年3回(春季、夏季、秋季)開花することが明らかとなりました。各開花期由来の果実特性を調査した結果、夏季開花由来の果実は果皮とじょうのうが薄くて果汁歩合が高く、秋季開花由来の果実は種子数が少ないことがわかりました。また、夏季開花を利用して11月、秋季開花を利用して4月下旬~5月下旬の商業出荷が可能になることがわかり、従来の出荷時期(9月上旬~10月中旬)とあわせた年3回出荷の実現が期待されます。
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