西村・倉田・三木・青木・村井・木村

 1980年度より3ヵ年実施した「アオウミガメ増殖技術改良に関する研究」に引続き1983年度からの3年計画の最終年の報告である。1985年度は火山列島海域の未成熟ガメの生態とアクチバブル・トレサー法による標識技法の検討を行い、合せて6カ年の成果をとりまとめた。
 北硫黄島・硫黄島・南硫黄島での生息は極めて少ないと考えられる。南鳥島は未成熟ガメの生息がみられ、産卵も確認された。
 標識技法として、三塩化ユーロピウム(Eu)及び四塩化イリジウム(Ir)を餌料に混合して飼育し、椎甲板等の各部位より資料を採取して放射化分析した。Euは検出されなかったが、Irは試験区の全ての資料で有意な検出結果となった。Irの蓄積率が臂骨板で甲板の10倍も高いことから実用性が高いと考えられる。

研究要報191(1986.3)

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