大島分場(草苅ほか)

 沖合定線調査は大島~鳥島間(J線)4月、2月に10側点、勝浦SE線(I線)10月に7測点、水深0~600mの13層の観測を行った。地先定線調査は大島~御蔵島近海19測点を毎月1回水深0~400mの11層を観測したが、5月及び10~3月の各月に延26点の欠測が生じた。
 本年の伊豆諸島近海の海洋の特徴は、4~6月は黒潮の本流がほぼ接岸して流れ、小規模の変動はあったが安定していた。7月初め小規模な離岸はみられたが全般的に10月末まで接岸し、N型の海況を示した。11月より離岸しはじめ12月後半よりC型となった。夏期の水温は平年並ないしやや高目であった。
 プランクトンの出現状況は沖合・沿岸とも全期を通じ僥脚類が多かった。卵稚仔はマル特Bネットでは魚類卵は例年並、稚魚は例年より多く出現した。マル椎ネットでも魚卵は例年並、稚魚は10月カタクチイワシ、2月にマイワシが多くみられた。
 主要魚種の漁況:サバは3月下旬にようやく本格的な漁となり、4月下旬から5月上旬が盛期で、平均10~12トン/曰/隻と本年の最高となった。ムロアジ前半は低調であったが、10月から11月が盛漁期となり平均10トン前後であった。

研究要報106(1974.2)

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