倉田・青木・木村

 未成熟ガメの資源生態につき1983年度は南西諸島の調査を行ったが、2年目の本年は伊豆諸島海域を調査した。又アクチバブル・トレーサー法を活用した標識技法についても前年に引続き検討した。
 伊豆諸島ではアオウミガメは各島で未成熟~成ガメまで捕獲され、八丈島・青ヶ島に多い。タイマイは青ヶ島に多く、北に行くにしたがい少ない。アカウミガメは八丈島が最も多く捕獲されている。ヒメウミガメ・オサガメはまれに捕獲される。
 標識技法を検討するため、ユーロピウム(Eu)を餌料に混ぜて飼育した。放射化分析を行い、Euを測定した結果、肝臓・脾臓にはEuが存在したが、1年後には消失し、腹甲骨と頭骨に0.3ppm程度残存していることが判明した。

研究要報186(1985.9)

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