倉田・三木・広瀬

 前報(研究要報44)に引き続き、トコブシの生産効果と生態について調査を行った。
 1965年の口開け時の水揚げ調査によると投石地から1日で192kg、約10万円の漁獲があった。差木地漁協の総水揚量を天然礁と投石地に分けると重量で12.9%、金額で13.9%が投石地から得たことになる。
 送信所下投石地のほか波浮オオヤノクボ・岡田ナエネの投石地及び天然礁の比較をするとオオヤノクポは密度・殼長組成共類似傾向がみられ、ナエネは殻長が大きく、密度は低い。これらはテングサ等の海藻の着生状況、水深等による採取条件による。天然礁は密度が低く、場所により殼長組成に変化がみられる。
 送信所下投石地のトコブシの全重量に対する軟体部重量は季節的に余り大きな変化はない。6~12月に5回の枠取調査では調査ごとに枠取量が減少し、殻長の伸びも少ない。又肥満度を天然礁と比較すると天然礁の方が肥満がみられる。(肥満度=肉重量/総重量×100)

研究要報46(1966.3)

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