古井戸・古瀬・梶沼・伊藤・松原・長谷川・浅野

 新中川放水路の開さくにより河川・海面における水産業への影響調査は第1~3報で報告したが、今回は海面漁獲高・ノリの生育状況及び河川の水質調査を実施した。
 海面の漁獲高は文書による照会、聞き取り調査を行い、漁業種類・従事世帯・漁獲数量・漁獲金額を明らかにした。
 各河川の水質は新河岸川・隅田川・旧中川が最も悪く、すでに還元発酵が行われつつある。ついで荒川放水路・綾瀬川が前3川に近づきつつある。中川・江戸川は水産用水として利用可能であるが、中川の奥戸橋より下流部は危険水質になりつつあり、上流部も汚濁が進行している。
 新放水路の流量が少ない場合は江戸川水との混合は都側に沿って流下し、おそらく河口の大三角でも都側を流下する。又流量が大のときは江戸川の湾曲部に開口する関係から拡散、混合がすみやかに行なわれることが考えられる。
 ノリの生育状況は現在調査中。別報で報告予定。

研究要報22(1960.3)

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