伊東ほか(八丈分場・技術管理部・農林水産部・八丈支庁・八丈町)

 八丈島のクサヤモロは漁獲量の最も多い魚種であるが、離島という地理的条件もあり、出荷のために種々の問題があって漁獲制限を行っている現状である。このためクサヤモロの有効利用をはかり、漁業振興に役立てる。
 八丈島の社会的条件及び水産業の実態を明らかにした。クサヤモロの生態については不明な面が多く、漁獲は古くから棒受網で行われている。利用状況はクサヤ原料・マグロ延縄用餌・底釣用餌・鮮魚の4通りで、9割以上が地元及び新島・大島等のクサヤ原料となる。輸送は貨物船と定期航路客船が利用されている。
 クサヤ加工は八丈島で31経営体があり、最近の5カ年平均で340トンの生産量がある。この量はクサヤモロの漁獲に大きく左右される。販路がほとんどクサヤ加工に限られるので獲れすぎると漁獲制限をしているが、これの打開策を検討した。①クサヤ原料の販路拡大、②クサヤ製品の販路拡大、③鮮魚での消費拡大、④マグロ漁業釣餌の拡大、⑤冷凍保存能力の増加等をあげた。

研究要報171(1984.2)

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