大島分場(塩屋ほか)

 沖合定線調査は燃料高騰のため実施しなかった。沿岸定線調査は大島~御蔵島近海19測点を毎月1回、水深0~400mの11層を観測した。うち延37点の欠測が生じた。
 本年の伊豆諸島近海の海洋の特徴は昨年来約1年間N型の黒潮流路が、本年5月下旬遠州灘に冷水塊の中心をもつB型海況となり、7月中旬~8月上旬C型、8月上旬~下旬D型となった。後、9月上旬N型となり、12月まで概ねN型が持続し、1月以降B型.C型と移行した。
 マル特Bネットによる魚卵類は総数1,989粒出現し、ほぼ平年並であった。マル稚ネットによる魚卵類はマサバ卵の出現が少なく、5月には出現しなかった。
 主要魚種の漁況の特徴は、サバは-都三県の水揚げが4.9トンで好漁時の約1/3である。ムロアジは棒受網では夏季は不振であったが11月頃より漁獲が増え12月に集中した。ハマトピウオは3月は青ヶ島が主漁場で4月に入ると八丈島に好漁があり、1月1隻平均2,500~2,900尾との漁獲があった。三宅島以北ではまとまった漁はなかった。

研究要報124(1976.3)

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