112.多摩川の魚類生態調査 Ⅰ 昭和48年秋及び昭和49年冬における調査結果について
高橋・枡内・川名・坪川・斎藤・中村・小倉・田中・飯村・伊藤
多摩川の自然環境調査の一環として建設省の委託により、1973年度の秋・冬期の2回、河口より奥多摩町氷川の間27~30点の魚類調査を行った。漁獲方法は投網・ビンドウである。
出現魚種は淡水魚27種、内湾性魚3種、計30種であった。羽村堰下~丸子堰で22種であったが、過去の記録に比較して7種減、14種の増加がみられた。種数の増加は移殖放流によるものと考えられる。
魚類相の分布は、上流部は単純でヤマメ・カジカ・ウグイの3種しかみられず、ウグイが優位で、次いでヤマメである。多摩川橋付近でもウグイが優位であるがヤマメに代りオイカワとなる。
オイカワは二子橋付近まで普遍的にみられる。永田橋より魚種が増え始め、多摩大橋ではさらに10種以上となる。大丸の堰下では16種と全流程の中で最も多くなる。これは河川形態が複雑なためと考えられる。丸子堰下をすぎると急激に魚種・魚量共に減少する。
研究要報112(1974.4)