奥多摩分場

 戦後の河川の荒廃により、ヤマメ.イワナ等の資源が急減しているため、1954年より1961年頃まで天然魚による人工受精を行い、放流を実施してきた。1963年よりヤマメの親魚の育成が可能となり、放流尾数の急激な増加ができるようになった。
 しかし放流種苗の大量生産には種々問題があり、これらの解決のための参考に、最も苦心した親魚飼育について1964年度以降1967年度まで採卵に供した親魚の経歴を集録した。
 ヤマメはふ化から親魚まで①歩留りが悪い、②不明数が多い、③セッソウ病に対して非常に弱い、④大小不同がニジマスに比較してはげしい、⑤成長の早いものは雄である、⑥親魚用として残した群は、その時期の大型群をほとんど残している、といえる。

研究要報64(1968.3)

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