奥多摩分場

 1968年度中に都内養殖池に発生した疾病は6種類で、他県からビブリオ菌病が侵入して大きな被害があった。
 マラカイトグリーンによる魚病予防試験:長期間流下したところ、カラムナリス病・白点病に予防が可能で、ニジマス0年魚の遊泳、外観所見に異常は認められなかった。
 癤瘡病治療試験:ヤマメ・アマゴに4種の薬剤で治療効果を試験し、クロラムフェニコールは10mgを10日間、サルファ剤では100mgを7日間経口投与すると効果がある。
 ヤマメに対する癒瘡病ワクチンの効果試験:1年魚にワクチンを接種して採卵直前までの生残率を比較した。3月接種したものは効果が認められたが、7月以降接種では秋期に発病がなかったので効果判定できない。アジュバントを用いたものは接種直後に死亡がみられる。
 ニジマスにサルファ剤を注射した時の組織内濃度:筋肉と皮膚では最高濃度に達するのが血液・肝臓に比して遅い。各組織のパターンは経口投与・薬浴も同じ。
 ニジマスのビブリオ菌病治療試験:業者の養魚池に発生した同病で経口投与・薬浴により効果的な薬剤とその方法を明かにした。
 ヘマトクリット値に関する実験を行った。

研究要報71(11969.3)

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