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〔三宅島における投石事業の経過とその効果*〕
 三宅島における投石事業は1953年より1969年までの15年間に投石量21,708㎡、約3000万円で面積約65,126㎡の造成が行われた。投石地を潜水観察すると共に坪刈りにより漁場評価を行った。夏季調査として投石地8カ所、天然礁14カ所、春季調査として投石地4カ所、天然礁12カ所の調査を実施し、ランク付けを行った。17カ所の投石地の漁場評価はA級(1000g/㎡以上)が5カ所、B級(1000~500g/㎡)4カ所、C級(500g/㎡以下)8カ所であった。
 観察による投石の安定状態及び投石地としての環境適性の評価と漁場評価はほぼ一致し、効果のあがっている投石地は50%強といえる。


〔噴火による漁場被害とその回復について**〕
 1962年三宅島の噴火によって被害を受けた浅海漁場の被害状況と回復状況を調査すると共に漁場の復興計画をたてた。被害区域は沿岸2.3k㎡、溶岩による漁場の底の埋設面積0.4k㎡である。被害はテングサ31トン、イセエピ37トンと推定した。
 復旧対策として投石事業とイセエビ移殖事業を計画、実施した。テングサは4年で回復。

研究要報76(1969.3)

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