塩屋・稲葉・原

 漁場で二枚貝のへい死事件が起きたとき、その原因探究に役立つ死後経過日数の推定方法に考究した。主としてアサリを用い春・夏の2期にわたり軟体部の変化、じん帯の変化、開殻角度等を観察・測定して日数推定の可能性を検討した。
 供試貝の死後経過日数よる軟体部・じん帯部の腐敗流失等の変化の順序は海中への放置の方法や時期が異なっても変わらないが、変化の進み方は貝の大きさ、時期によって相当異なる。
 春夏の試験結果により死後経過日数の推定表を作成した結果、アサリの大型のものでは春期は死後20日、夏期は15日間位まで推定可能なようである。夏期における小型アサリ・シオフキは10日位が可能と思われる。

研究要報16(1959.1)

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