大内・田中・青木・吉田・山峯・他

 採卵時に混入する壊卵の精子に対する影響と、受精率の低下を防ぐ方法について考究した。
 壊卵の混入により卵の受精は甚だしく阻害されるが、これは精子の活動が阻害されるためである。壊卵の混入率が高い程受精率は低く、2~3%以上では受精しない。壊卵の影響を防ぐには等調液で洗卵すると効果は顕著である。体こう液媒精法は乾導法より優れている。精希釈法は精液の節約には役立つが受精率は低下する。
 以上の結論として現状では等調液により洗卵して受精させる方法(洗卵法)が最も優れたニジマスの人工受精方法といえる。

研究要報5(1956.10)

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