村井・青木・木村

 本研究3年目を迎え、小笠原産マダイからの種苗生産を目標とした。併せてハタ類・アジ類の種苗生産試験に着手した。
 マダイの越夏養成試験を実施したが、台風により稚魚を逃がした。従って'982年小笠原で生産し、大島分場へ輸送し飼育していた1年魚を再び父島へ輸送した。「みやこ」127トン(活魚倉6トン・換水量0.5トン/分)へ37尾(平均体重293g)を収容し、58時間の輸送で生残率100%であった。これらを越夏養成飼育した結果、翌年4月産卵がみられた。
 アカハタの産卵期はGIの調査結果より小笠原では4~6月と推定され、親魚の陸上池での採卵の結果、総数1,778×107粒を得た。仔魚の飼育は初期減耗が大きく生残率は低かった。初期餌料に問題があると考えられた。
 シマアジの産卵期はGIの調査結果より小笠原では12~1月と推定された。

研究要報179(1984.10)

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