草苅ほか(大島分場)

 沖合定線調査(53・54年度)欠測なし。方法は例年どおり。沿岸定線調査欠測(53)18点、(54)23点、方法は例年どおり。
 海況:(53)黒潮は安定したA型で経過した。流軸は2月以降熊野灘沖でS字型に湾曲したが、その後蛇行部の消滅、移動がみられた。1979年1~2月に再び熊野灘沖への曲り込みが形成された。伊豆諸島海域は全般的に高目の水温となった。(54)A型で経過したが、年度を通じ流軸は大きな変動がみられた。これに対応して伊豆諸島海域も大きな海況変化がみられた。
 主要魚種の漁況:マサバ(53)たも抄い網1月下旬より6月上旬の漁期に130隻で約13万トンの漁獲があり好漁であった。(54)漁期は前年同様で着業船170隻約18万トンの豊漁であった。ハマトピウオ(53)主漁場の八丈島で好漁がみられ、島しょ全体で288万尾の漁獲で過去10年で最高となった。(54)青ヶ島以南は不漁であったが八丈島で110万尾の水場があり、銭州~三宅島海域で近年にない好漁がみられた。クサヤモロ(53)島しょ海域全体に好漁で八丈島では漁期が例年より半月早く、約1,000トンと最高記録となった。(54)八丈島は776トンと豊漁で三宅島では前年をやや下回った。

研究要報151(1981.3)

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