田中・原・井上・村井・飯村

 1973年度中に都内養魚池に発生した疾病は、ニジマス稚魚のIPNによる被害が大きく、春より夏にかけて寄生虫による被害の上昇傾向がみられ、在来マス・ニジマス・アユにミズカビの寄
生がみられた。
 IPNに対し抗プラスミンと糖代謝改善剤の経口投与による効果を検討した。ニジマス稚魚に対するε-アミノカプロン酸は生残率は高くなる傾向がみられる。キシリトールは対照区と同様の生残率であった。
 IPNの予防対策としてヨード剤のニジマス未受精卵に対する影響を検討してところ、ダイヤザン・クリンナップ・イソジンはいずれも30秒間浸漬しても16ppmまでは発眼率に大差はない。
 魚病細菌(Aeromonas,Vibrio)に対するヨード剤のin vitroの効果は4ppm以上の濃度で短時間で殺菌効果がある。
 せっそう病ワクチン接種試験を在来マス類で行い、メーカー製よりも自家製の方が生残率が高く、飼育歴の長くなるほど生残率が高かった。
 ヤマメ0年魚を用いせっそう病に対する経口ワクチンの投与を行った。対照区及び0.3mg投与区では発病したが、0.15mg投与区では発病しない。また同病に対する薬剤の治療効果と有効投与量について実験した。

研究要報107(1743.3)

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