大島分場(塩屋ほか)

 沖合定線調査は大島~鳥島間(』線)2月10側点、3月3測点、水深0~600mの観測を行った。(8月にG線の調査を実施)。沿岸定線調査は大島~御蔵島近海19測点を毎月1回(11月欠測)水深0~400mの11層の観測を行ったが、延50点の欠測が生じた。
 本年の黒潮の動勢は4~7月の安定したN型で、7月末より潮岬沖で離岸し、8月以降A型となった。12月には大型冷水塊が紀伊半島SEに張出す型で安定し、大きく蛇行して3月までほぼ安定して経過した。
 プランクトン量は8月以降の出現量が少ないのが特徴であった。マル特ネットによる稚仔魚では外洋中層性のヤベウキエソが採れたのが特徴的であった。マル椎ネットではマイワシ卵が過去10年間平均の15倍も採集された。また稚仔魚も多く採集された。
 主要魚種の漁況:サバは伊豆諸島近海で4万7千トンの漁獲があり1970年以降横ばい状況にある。大室出しが主漁場となったのが本年の特徴である。ムロアジは北部海域の棒受網は全般的に低調であった。八丈島方面のクサヤモロは最近10年の平均を下回った。ハマトビウオは主漁場の八丈島が冷水塊の影響で3月まで不振であり、4月好転したが長続きしなかった。4月末神津島・三宅島で好漁があった。

研究要報131(1977.3)

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