大島分場(小西ほか)

 沖合定線調査は大島~鳥島間4月・2月は10側点、10月は8測点、水深0~600mの13層の観測を行った。地先定線調査は大島~御蔵島近海19測点、水深0~400mの11層を4~3月毎月1回観測した。
 1965年度の伊豆諸島近海は複雑な海況を示し、列島線の東側と西側で著しく異り、西側は低温気味で特に秋~冬期にこの現象が強く、これは沿岸水の影響と考えられた。プランクトンは年間Copepodaが主体である。卵稚仔はマル特ネット調査では出現卵数は前年度より少なかった。マル稚ネット調査では一般に魚卵の出現の少ない冬期に本年度は2月に最も出現の多い測点があった。
 主要魚種の漁況のうちサバはね釣は4月は銭州が主漁場で下旬に三宅島を含め広範囲となった。銭州では200隻で1日7~8トンの漁獲があった。5月は三宅島が活況を呈し、6月上旬に春サバ漁は終了した。1966年2月上旬より3月まで10~25トンの好漁が銭州でみられた。ムロアジ・サバ棒受網は1965年は好漁で、4月は銭州18~20トン、7~9月御蔵島~銭州9トン、10月は大室出し10~20トン、11月御蔵・銭州・大室出しで、12月には大室出し13~25トンの漁獲(それぞれ1日1隻当り)があった。

研究要報50(1966.6)