古井戸・大内・伊藤(敏)他

 江戸川・中川の総合利水計画による新中川の開通により河川・海面漁業への影響推定の基礎調査を1951年(第1報)に引続き行った。
 海面調査は1957年3月・7月、1958年1月の3回、水質・潮流等を調査し、荒川・中川が漁場全般に影響を与え、これらの水は、主流は真直ぐ南下し、夢の島を過ぎると南西方向に強くなり、江東区の汚濁された陸水の浄化に役立っていることが判明した。
 河川調査は水質を調査し、綾瀬川・中川・江戸川の順で汚濁されており、中川はとくに高砂橋より下流が汚濁されていることが判った。
 実態調査は荒川・城東・葛西の漁協の組合員・漁法・漁獲高等を間取りによる調査の他江戸川・中川の漁獲試験を行った。江戸川・中川に出漁する漁業者は210名で、中川の漁獲量は魚類68トン、シジミ9,511斗、江戸川では魚類35トン、シジミ110斗、餌虫108斗であった。
 環境調査は中川の主要汚染源である工場排水とポンプ排水を調査した。高砂橋より上流に流入する下水ポンプ排水は23,000㎥/日で、そのうち90%は水産上悪影響を及ぼす悪水でBOD2~4ppmの値を示している。

研究要報13(1958.3)

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