長谷川・山峯・吉田・川名・佐藤・小林

 都市化の進む中での金魚養殖業を続ける江戸川区周辺の生産者を対象に経営・技術面等の調査を行い、問題点を摘出し、大都市における金魚養殖業の振興方策を確立するため実施した。調査研究は水試の他行政部門(水産課・商工指導所)も含めてチームで活動した。
 地区の生産状況は経営戸数、水面積共1965年以降減少し、生産量は1971年700万尾以降減少し、1976年400万尾となったが、再び上昇し、1984年には500万尾(組合共販量)となっている。
 生産者のアンケートによる経営状況調査の結果、経営の問題点として、後継者・生産効率・用地確保・他県との競合等の問題があげられた。
 都内の金魚の流通量は約5,280万尾で、都外から約4,400万尾の入荷があるものと推定された。消費動向についてはアンケート調査を行った。
 生産環境について用水等の調査を行ったが、水質は夏期にはかなり悪条件となる。養殖技術として他県より品質のよいものが生産されている。
 総合的にみて問題点として①地価騰貴による税の増大、②生産諸経費の増大、③環境の悪化、④用水確保の困難化等があげられた。

研究要報184(1985.3)

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