30.三宅島水産開発事業報告(Ⅱ)
30-1.三宅島水産開発事業報告(Ⅱ)三宅島の軟体動物相(第1報)
倉田・三村
磯採集や潜水採集によって得た標本は211種で、ヒザラガイ5種、腹足類172種、斧足類25種、後鯛類4種であった。産業上重要なものは食用種であるサザエ・フクトコブシ・バショウイカ・ヤリイカ等である。
軟体動物目録
研究要報30(1962.2)
30-2.三宅島水産開発事業報告(Ⅱ)三宅島の魚類相と漁獲量(第1報)
倉田・中川
漁業の試験操業、各漁協に水揚げされた魚類及び潜水観察された魚類の目録を作成した。
65科122種、これらのうちサバ科が多く11種、アジ科9種、フエダイ科8種、トビウオ科・ベラ科各7種でその他の科は1~4種であった。
分布上特殊な魚類として、アミメミ/カエルウオ・アマシイラ・マダイ・ウナギである。
1948年から1960年までの漁獲統計(東京都の水産)を表にした。これによると重要魚種はカツオ・ムロアジ・トビウオ類の回遊魚類で、ブリ・ソーダカツオ・マグロ類と広回遊魚類とタカベ・シマアジ等の狭い回遊魚類も多く、定着性の底魚類ヒメダイ・アオダイ・ハマダイ・メダイ・クロムツ等が多量の生息している。磯魚類はアカハタが多く、ハタ類やニザダイ・メジナ類・ベラ類・ウツボなどが多い。
三宅島産魚類目録
研究要報30(1962.2)
30-3.三宅島水産開発事業報告(Ⅱ)底魚一本釣漁場調査(第2報)
小西・田中・黒雲
前年度の調査で有望とみられた3漁場を精査したところ、いずれも好漁場であることが判明し、釣獲はヒメダイであった。
研究要報30(1962.2)
30-4.三宅島水産開発事業報告(Ⅱ)坪田港における定置観測
阿部
1957年より1960年の4年間、三宅島坪田の水温を主とした定置観測結果を得た。
研究要報30
30-5.三宅島水産開発事業報告(Ⅱ)ひきなわ(曳縄)漁業指導(和歌山県式)
今井
和歌山県式のひきなわ漁法を導入し、漁業振興をはかるため、1960年同県すさみ町の稲葉三郎氏を講師に招き、三宅島の3漁協で講習会を開催した。指導内容は、スマガツオひきなわ、ソーダガツオひきなわ、カツオ・メジひきなわ、マグロひきなわ及び「ぎじえ」の種類と作成法であった。以上の漁法と漁具を解説.図示した。
研究要報30(1962.2)
