大島分場(草苅ほか)

 沖合定線調査は大島~鳥島間(J線)2月に9測点(4月欠測)、勝浦SE線(I線)10月に7測点、水深0~600mの13層の観測を行った。地先定線調査は大島~御蔵島近海19測点を毎月1回(5月欠測)水深0~400mの11層を観測した。うち延22点の欠測が生じた。
 本年の伊豆諸島近海の海洋の特徴は4月初は黒潮の流軸はB型で、4月後半よりC型に変り、5月中旬以降N型となり3月まで続いた。
 マル特Bネットによる魚類卵は総数3,123粒と例年より多く出現した。稚魚は319尾で12種181尾は種名が判明した。マル椎ネットによる魚類卵は例年より少<、原因はサバ卵の極めて少なかったことによる。
 主要魚種の漁況の特徴は、マサバでは三陸沖の南下群は小型群が主体で、集合・分散は前年同様であった。1隻1日当りでは初漁期は低調であったが、2月下旬より10トン以上が続き、3月下旬には20トン以上の記録的漁獲があった。総漁獲高は前年をやや上回った。ムロアジの漁獲は少なく、魚体も小型が主体であった。主漁場は大室出しであった。ハマトビウオも好漁は八丈島で2月下旬及び4月上旬、神津島・三宅島で5月上旬にみられたが何れも長続きせず5月中旬終漁となった。

研究要報116(1975.2)

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