米沢・伊東・長沼・小沢

〔ハマトピウオの昼間生態調査〕 夜間操業用の流刺網の先端に釜網をつけて八丈島周辺の日中の表層分布を調査した。曰中でも魚群が表層に集合している場合もあり、漁獲可能と判明した。延縄により中下層の魚群の確認を試みたが、釣獲できなかった。
〔ハマトビウオに関するその他の基礎的な生態調査〕 八丈島近海で漁獲した魚体により食性をみるとカメガイ類とヨコエピ類が多く、摂餌時間は9時以前と推定された。卵巣の成熟段階を4期6段階に分けKG値を対比した。KG値から放卵の前後の判別は可能である。産卵期は1月下旬~5月中旬で主期は4~5月である。
 産卵期間及び標識放流による回遊経路の調査を行ったが十分な成果はなかった。漁場別に♀魚の出現率をみると烏島では2~3月やや高く、他の八丈島以北では4・5月に高い値を示す。
 漁場形成要因をCPUEからみると、水温と関係が深く、20~21°Cで好漁況がみられる。これは黒潮流路が漁場に接近することと関連がある。

研究要報155(1982.2)

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