今井ほか(八丈・大島・小笠原)

 サメによる漁業被害の状況は伊豆・小笠原諸島では底魚一本釣とハルトピ流刺網にみられ、ドタブカ・ヨゴレ・ヨシキリザメによるものである。各県の被害についてアンケート調査を行ったが、全国的に被害がみられている。
 伊豆・小笠原諸島に分布するサメは17科45種で一部冷水性のものも認められた。これらの生態について過去の記録を調査した。被害を与えるサメは5科15種が考えられた。
 サメの血粉に対する反応をブタ乾燥血粉・アオウミガメの生血を用いて観察したが何れも反応は認められなかった。
 捕獲調査を一本釣・浮刺網・三枚網・サメ二枚網等を使用して実施した。
 駆除のため、ハルトビ流刺網・底魚一本釣・ムロ棒受網の各漁業で被害時にサメの漁獲を試みた。サメを釣獲するとしばらくは被害がなくなるので、加害する個体数はそれ程多くないものと思われた。
 東京都の島しょ海域におけるサメ魚体の測定資料を付した。

研究要報136(1973.3)

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