塩屋・伊藤・草苅・倉田・中川・坪川・石川・枡内・西村・藤浦

 伊豆諸島近海の重要底魚類の資源の実態を把握してその管理方策を求めることを目的として、漁場と資源の調査を併行して実施した。
 漁場の形態は魚探の読取りにより7漁場作図した。漁場環境はドレッヂとド(トラップ)を用いて底質・底生生物調査した。底生生物は6漁場、概して貧相で、ドによって得られた魚類は4地点で4種であった。
 漁況の変動を農林統計等を利用し統計的にまとめた。主要魚種7種の1951~1965年の漁獲量は少ない年で150トン、多い年で700トンを越える。漁獲努力は1962~1963年より強化され、季節変動をみると6~7月、9~11月に集中している。単位漁獲量の傾向は、1958年に急上昇し、1962・1963年にかけてさらに上昇したが、以後低下の傾向がみられる。
 伊豆諸島からマリアナ諸島北部に至る漁場別・釣獲水深別に17種の底魚を一表に現わした。
 波浮港に水場される主要底魚類を銘柄別に組成の変化を求めたところ、ヒメダイは遂年小型化し、ハマダイ・アオダイ・メダイ・アコウは傾向的なものはみられず、キンメダイ・ムツはやや小型化が考えられる。

研究要報61(1968.2)

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