135.病害研究報告書(温水性淡水魚の穴あき病)
高橋・森
1974~1976年度の研究の概要を病魚の発生状況・疾病の特徴・原因の追求・予防法の追求・治療法の追求に分けそれぞれ記載した。
魚種間の伝染性を確認するため穴あき症状を呈するコイ・フナから健康なキンギョへの感染試験を試みた。14曰間にわたり挿入部の変化の肉眼観察と病理組織的な検索を行った。その結果コイ・フナ・キンギョに発生する穴あき病は同一疾病と考えられた。
ウロコ挿入法による人工感染魚を経時的に病理組織学的に観察した結果、この方法での感染は真皮結合組織に好んで繁殖する長桿菌が密接に関与していると考えられた。
病患部より得られたFlexibacter columnarisに近いと思われる長桿菌を純培養的にウロコに繁殖させ感染試験を行った結果、病患部のウロコを直接挿入した場合とほぼ同様の症状が再現された。
研究要報135(1978.3)
