65.合成洗剤主成分、農薬、薬品等による生物試験について
古瀬・高橋・高松・船見・佐々木・曽田・丸山
魚介類のへい死事件が多発しているので、薬品・洗剤の限界濃度を推定する生物試験は既に要報34・40及び49号で報告したが、今回は中性洗剤のうち直鎖型アルキルベンゼン・スルホネート、
かんてつ駆除剤、シアン化合物、デスト水銀ボルドー等について試験を行った。
コイに対してソフト型の直鎖型アルキルベンゼンスルホネート(LAS)であるニッサンナルケンN-600とハード型アキリルベンゼンスルホン酸ソーダ(ABS)の生物試験を18℃で行い次の結果を得た。
単位 ppm
24時間TLm |
48時間TLm |
72時間TLm |
生物学的安全濃度 | 嫌忌量 | |
N-600 | 2.48 | 2.48 | 2.48 | 0.744 | 0.248 |
ABS | 21.0 | 19.2 | 18.6 | 1.094 | 1.92 |
モツゴに対しシアン化物KCNを18.5±3.3℃の結果は次のとおりである。
24時間TLm |
48時間TLm |
安全濃度 | 嫌忌量 | |
KCN | 0.885 | 0.885 | 0.2655 | 0.0885 |
CN | 0.354 | 0.354 | 0.1062 | 0.0354 |
デストポルドーによるコイの致死濃度試験(1966.4)では24時間TLmは7.2ppmであった。動物用駆虫剤ミンテスBによるコイの致死濃度試験では24時間TLmは0.61ppmであった。
研究要報65(1968.3)
