古瀬・高橋・高松・船見・佐々木・曽田・丸山

 魚介類のへい死事件が多発しているので、薬品・洗剤の限界濃度を推定する生物試験は既に要報34・40及び49号で報告したが、今回は中性洗剤のうち直鎖型アルキルベンゼン・スルホネート、
かんてつ駆除剤、シアン化合物、デスト水銀ボルドー等について試験を行った。
 コイに対してソフト型の直鎖型アルキルベンゼンスルホネート(LAS)であるニッサンナルケンN-600とハード型アキリルベンゼンスルホン酸ソーダ(ABS)の生物試験を18℃で行い次の結果を得た。

単位 ppm

  24時間TLm

48時間TLm

72時間TLm

生物学的安全濃度 嫌忌量
N-600 2.48 2.48 2.48 0.744 0.248
ABS 21.0 19.2 18.6 1.094 1.92

 モツゴに対しシアン化物KCNを18.5±3.3℃の結果は次のとおりである。

  24時間TLm

48時間TLm

安全濃度 嫌忌量
KCN 0.885 0.885 0.2655 0.0885
CN 0.354 0.354 0.1062 0.0354

 デストポルドーによるコイの致死濃度試験(1966.4)では24時間TLmは7.2ppmであった。動物用駆虫剤ミンテスBによるコイの致死濃度試験では24時間TLmは0.61ppmであった。

研究要報65(1968.3)

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