第2報 系群標徴の特性

小西・草苅

 1954年より1958年に至る5年間の漁獲物の魚体調査を行った。毎年の魚体組成をみると体長32.0~34.0cm、体重350~475gが主な部分を占める。時期的にみると2月34.0cm、3月上中旬32.5cm、3月下・4月上旬33.0~33.5cm、5月以降33.0cmの各階級が主体となる。
 通常の年は南部海域に大型、北部海域に小型の魚群が漁獲され、冷水塊による異常海況の年は反対となる。♀は♂より体長が平均2.2cm大きく、全般に♂の出現が顕著である。

研究要報18(1959.3)

 

第3報 魚群探知機によるハマトビウオ群の生態

小西

 魚探(双葉理工K,KST型)を用い、ベヨネーズ礁・青ヶ島・鳥島等で魚群の状況を調査した。沈下群が浮上完了まで約1時間を要し、浮上時間は約3時間である。夜半を過ぎると沈下し始める。早朝潮上のくぼみ(ベヨネーズ)又は潮陰(青ヶ島)に沈下していた。40m以深には記録にでない。漁場の水深は40m以浅の場所といえる。

研究要報18(1959.3)

 

第4報 海流封筒の標流状態と漁況

小西・草苅

 海流封筒を投入して海流の状況とハマトビウオ稚仔の漂流、漁況との関係を調べた。
 1957年及び1958年の3~5月に伊豆諸島近海で2,500枚の海流封筒を投入した。1957年は御蔵島で500枚投入し、7枚が拾われ、海洋観測結果と合せ考察すると西向反流が70%、黒潮反流によって南下15%、本流に乗って北上15%とみられた。この年は八丈島以南豊漁、以北は不漁であった。1958年は青ヶ島200枚、八丈島で200枚、三宅島で200枚投入し、計10枚が回収されたが、明確な結果は得られなかった。この年三宅島~青ヶ島が豊漁で鳥島方面は不漁であった。

研究要報18(1959.3)

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