水質研究室・水質分析室

 都内の河川は汚濁が進み、魚類の生息する場所もみられない状態になっている。水質保全に関連する諸問題解決に資するため、1960年度より年4回調査を実施し、1962年度までの3カ年の河川の変動について取りまとめた。調査河川は多摩川・江戸川水系始め都内の中小河川の殆んどを含め、152定点を設けて計12回の調査を行った。
 PHは工場廃水の多い新河岸川等が酸性を示すが、その他は7.2~7.0を示している。溶存酸素量は隅田川・荒川放水路等で無酸素状態がみられる。沃素消費量は隅田川・新河岸川等数河川で30ppm以上の大きな値がみられる。CODは隅田川・神田川等、都内を貫流する河川は有機物が多く、20ppm以上の値を示す。BOD・アンモニア態窒素はCODと同様江戸川・中川を除いた各地点共に高い値を示し、BOD30ppm、NH4-N 4ppm以上となっている。
 上記のほか、塩素量・硫酸根・浮遊物・ABS等も分析した。

研究要報41(1964.12)

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