今井ほか(八丈分場・大島分場)

 1977年度より3年間の調査・研究の総括を行った。1977年は資源生態(研究要報136)、1978年は駆除効果(研究要報139)、1979年は水中音によるサメの反応調査を中心に研究を実施した。
 サメによる被害は全国的にみられ、釣り漁業に被害が大で、ヒラガシラ・ヨシキリザメ・シュモクザメの順で害を及ぼす、伊豆諸島ではハルトピ流刺網・底魚一本釣漁業に集中する。
 伊豆・小笠原諸島に生息するサメ類は18科49種で被害を与えるものは4種である。海域により性比の偏り、漁業種類により出現するサメの大きさが異る。ドタブカの口腔内に古い釣針の残留率は42%に及び、同一個体による被害が多いと考えられた。
 サメ類に対し、各種の水中音を発生してその反応をみたが、衝撃音より持続音の方に反応を示し、周波数の低い方に反応が多くみられた。
 駆除方法はハルトピ漁場では釣針の浅い延縄、底魚漁場ではサメ-本釣漁具が有効である。又一斉に駆除を行うよりも被害発生時に自船が釣り揚げるのが最も有効である。

研究要報145(1980.3)

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