岡村ほか(大島分場)

 伊豆大島沖に設置された海洋電波中継塔周辺に好漁場が形成され、漁業者の浮魚礁に対する関心が高まった。島まわりに中層淳魚礁を設置して実用化を図ることを目的とした。
 大島筆島沖(水深38・40m)に1979年9月、1981年1月単円筒型各1基、大島千波崎沖(80・60m)に1981年2月、12月平型各1基と1983年3月(60m)に平型と改良円筒型を設置した。浮魚礁上面の水面下20~25mとし、主係留索はφ48mmのテトロンパラエイトロープを用いた。1年8ヵ月経過した1979年度の単円筒型が沈下したが、オオアカフジツポを主とした付着物が設計値の3.2倍の8kg/m2付着したことに起因していた。
 1979年度単円筒型で潜水観察の結果、魚類38種、イカ(卵)1種を確認した。シマアジ・マアジ等は大群、ヒラマサ等は小群が確認された。魚探機で調査結果、単円筒型(径1.65m)は半径80m、平型(径5m)は半径200mの範囲に魚群反応があった。
 1981年8月17日より9月4日まで、筆島沖1980年度単円筒型にヒラマサ・ハガツオ・ソーダガツオの漁場が形成され、総漁獲量2t以上、400万円以上の水揚げが推定できた。

研究要報176(1984.7)

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