38-1.東京湾産マアナゴについて

原・塩屋・丸山・熊本

 東京湾の水深10m以深の開発を目的とした調査の一環として市場価値も高く、延縄・小型機船底曳網漁業者の漁獲対照であるマアナゴの形態・食性を主に調査した。
 羽田浦漁協に延縄で漁獲され水揚げされたものを、1761年4月~12月の問毎月1回調査した。群成長は1ヵ月1cm前後で、12~3月はほとんど成長しない。漁獲対象は20~34cmのもので2年級である。全長と体重の関係式は♂はW=0.00167L28698、♀はW=0.00143L3.0318である。
 胃内容物は主として動物性のもので、緑藻類も少量認められた。体腔内に2種の線虫が寄生し、寄生率は♀に高く、寄生部位は体腔下側に多い。

研究要報38(1963.3)

 

38-2.東京湾産シャコについて

原・塩屋・丸山・岩沢・豊崎

 シャコは打瀬網によって漁獲される重要な漁獲対象種であり、東京湾深部開発調査の一環として、その生態を主として調査を実施した。
 1961年4月~12月の問毎月1回、千葉県市原郡姉ケ崎町沖の水深10~20m及び20~25mの2区域で漁獲されたものと、8月本牧鼻沖・中の瀬・盤州鼻沖の3カ所で漁獲されたものを材料とした。
 シャコは1年間で約6cm成長し、漁獲対象は0~2年級群で定着性と考えられた。体長と体重の関係式は♀でW=0.0150L2.9864、♂でW=0.0156L2.9705で表わされる。
 性比は月により激しく変化し、漁場別にも差違がある。産卵期は5~8月で盛期は5月下旬から7月上旬と考えられ、場所によりずれがみられた。胃内容物は複雑で魚類・甲殻類・二枚貝類・硅藻類など小型のものであった。

研究要報38(1963.3)

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