倉田・飯村

 1948年~52年にわたり内湾のホトトギスの蕃殖状況とその有用貝類に与えた被害について調査した。
 羽田州において1948年と1951年の出現状況を比較すると出現地点7.4%が46.3%に、生息貝類総数中のホトトギスの出現率は3.1%が79.6%と増加し、沖合部にも蕃殖した。
 ホトトギスによる貝類の被害は生息貝類の60%でシオフキ>ユウシオ>ハマグリ>アサリの順となっている。(1952.4.5大森調査)
 ホトトギスは足糸で互いに纏絡し、集団を拡げ砂土を被っていくので砂中の貝が窒息死し、その肉質が流出し底質の悪化を促進し被害を大きくする。
 駆除作業は漁協により1952年度に行われ、実施面積13万余坪、取揚げ量は泥土共22.8万貫であった。その後海況の変化によりホトトギスの蕃殖も下火となった。

研究要報2(1954.10)

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