田中・井上・工藤

 魚病の分野においては、消毒剤の効力評価基準とする報告がほどんどなく、病原菌に対する石炭酸係数を求め、各種の評価法に基づく資料の蓄積が必要と考え実施した。
 魚病細菌の石炭酸係数の測定は消毒剤検査指針(厚生省)によった。Aeromonas salmonicidaVivrio anguillarum各2株の菌を供試し、培地は指定培地の他市販合成培地を使用し、培養温度は20℃・25℃とした。結果は両菌共に指定培地は発育が悪く、培養温度は両者に発育の差はみられなかった。
石炭酸の魚病細菌に対する殺菌効果を調べるため上記の菌株の他Staph. aureus Ⅰ株を用いた。
 石炭酸のそれぞれの菌に対する殺菌濃度は表にしたが、Staph.は感受性が最も高く、VibrioAero.より高い感受性を示した。
 第四級アンモニウム塩の殺菌効果についてA. salmonicidaに対する効果を測定し、せっそう病石炭酸係数を求めた。2種の薬剤を使用したが、石炭酸係数は353及び235となった。

研究要報142(1980.3)

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