原・井上・今井・吉田

 前2報(研究要報53・54)でサルファ剤を遊離型、ナトリウム塩としてニジマスに投与した結果を報告したが、今回はスルファモノメトキシン・スルファジメトキシンの各形態について連続投与した場合の組織内濃度・持続時間について検討した。方法は前回と同様で試料採集に胆汁を加えた。
 スルファモノメトキシンの各製剤の組織内濃度は乳糖10倍散で高く、ソーダ散では低い。血中濃度の持続時間から魚類に投薬する場合はソーダ散より遊離型の方が有効と考えられた。
 胆汁濃度は他の組織に比較して非常に高い。
 アセチル化率はスルファジメトキシの遊離型では血漿で2.5~20.1%、乳糖10倍散で0~13.9%、ソーダ散では2.7~11.2%であり、スルファジメトキシン・ソーダ散で0~5.6%であった。
 癤瘡病に罹病したヤマメ稚魚にスルファモノメトキシンを魚体重kgあたり200mg、100mgを5日間投薬して十分な治療効果を得た。

研究要報55(1966.9)魚病研究 Vol. 1 No. 1

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