仲村・伊藤・中山・三木・斎藤

 伊豆諸島の底釣対象魚として重要なメダイ・アオダイについて資源生態学的調査を行った。
 メダイの幼魚の採集を1972年4月~6月の問、三宅島~三崎~伊東の海域でモジャコまき網で採集を行ったが、メダイ幼魚は採集できなかった。
 1971年八丈島近海で採集したメダイ幼魚の鱗の成長線数(N)と尾叉長(L)の関係は、N=1.841L-1.267の式を得た。また鱗径(R)との間には、L=2.331R+0.816の式を得た。
 1971~1972年八丈島周辺で漁獲されたアオダイを用い年令と成長の関係を調査した。椎体後半半径(Vp)と尾叉長(L)はL=4.543W+7.518であらわされる。輪紋は年1回形成され、時期は7月ごろと推定された。成長式はLt=88.3〔1-∑-0.0783(t十1.072)〕であらわされる。
 アオダイの産卵期は6月が盛期で4齢魚より産卵に加わると推定された。冑の内容物は上層性のプランクトンが主体で底生生物は見当らなかった。
 1969~1972年度のメダイ資源研究の総括を合せ記載した。内容は分布と漁場・移動・年令と成長・再生産・食性・行動様式・漁況予測と資源維持である。

研究要報100(1973.3)

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