青木*,**・村井**・塩屋***

〔底魚一本釣によって釣獲される魚種について〕1973~82年にかけて聟島~南鳥島間(9海域)で釣獲された魚種は33科77属101種であった。種別個体数ではハマダイ・ヒメダイ・ハナフエダイ・ハチジョウアカムツ・アカレンコ・チカメキントキの順で多かった。同年間の底魚漁場調査の概要を記した。
〔アカレンコDentex sp.(新称)について**〕小笠原諸島海域のアカレンコは従来キダイと同一種とされていたが、阿部(1980年)により異種とされた。生態等について調査を行った。
 水平分布は聟島・父島・母島が主たる分布域と考えられた。垂直分布は水深100~450mでその中心は200~250mであった。
 体型のうち、尾叉長組成は平均値32.5cmであったが、1973~1979年には平均値が増加傾向がみられた。1980年以降は減少した。尾叉長と体重の関係はY=0.05X2.78である。産卵期はGI値から4~6月を考えられた。食性は動食性でホヤ・ウニ・カニ等の表在性ベントスが多い。
〔短報アカレンコ(新称)Dentex sp.と同種とみられる体色の淡い個体の分布について***〕淡色個体は外部形態で差異はないが、深部に分布する。

研究要報181(1984.8)

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