塩屋・仲村・斎藤・上田

 伊豆諸島近海のメダイの資源学的研究を行った。
 年令と成長 鱗径(R)と尾叉長(L)の関係式L=88.7R+111.3
       尾叉長(L)と体重(W)の関係式W=0.5152L3.5593・10-6
       成長式Lt=921〔1-e-0.21(t+0.998)
 産卵は11~1月、生物学的最小型は500~600mm(4~5才)と推定された。孕卵数50~60万粒。伊豆諸島近海の流れ藻に付随する幼魚は1~6月に出現し、遊泳層への移行は7月と推定される。幼魚は2グループからなると推定される。
 1968~1970年度に延7回、1,842尾の標識放流を行い、5尾再捕されたが、何れも放流地点より北方で再捕されている。
 食性は幼魚では50mm以下でCopepoda、50~80mmでCopepodaとSagittaで、80mm以上ではCopepodaはみられなくなる。未成魚・成魚は大型プランクトンを主体に小魚・エビ類・イカ類で、ベントスは全くみられなかった。

研究要報89(1971.3)

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