今井ほか(大島分場)

 沖合定線調査は欠測なし。沿岸定線調査は欠測33点。方法は両調査とも例年どおり。
 海洋の状況は黒潮の流軸が1981年3月以降N型で6月C型となり7月後半にはN型となった。9月前半B型に近い状態となり10月前半C型となった。10月後半D型よりB型に移り11月まで交互に変り、12月より遠州灘沖の冷水塊を迂回し列島線沿いに北上した。1981年度は三陸・常盤沖は低水温であったが、伊豆諸島はこの影響は少なかった。
 主要魚種の漁況をみるとマサバは1月下旬の初漁より低調で、2月中~3月まで中断し、3月下旬より、5月にかけてひょうたん瀬から大室出しへと漁場が移動した。たも抄漁船約170隻で73,267トン漁獲されたが、7年平均漁獲量の66%であった。ハマトピウオは過去10年のうち最高漁獲尾数328万尾をあげた。スミスから青ヶ島海域のみ低調であったが、その他の海域は全て好漁であった。クサヤモロは八丈島海域で総漁獲量約500トンで5年平均漁獲量の約60%であった。三宅島海域は近年で最低の約48トンであった。

研究要報164(1983.3)

164.pdf [5221KB pdfファイル]