173.マス類の伝染性病原体の消毒法に関する研究 58魚病対策
井上・池谷・小松・田中
逆性石けんの魚類ウイルスに対する消毒効果について、サケ・マス類の代表的ウイルスであるIPN・IHNを用いて検討した。
IPNに対する効果を濃度と処理時間を変えて検討したが、塩化ベンザルコニウム・塩化ベンゼトニウムともに0.4%の60分処理でも効果なく感染力価の低下さえ認められなかった。
IHNに対する効果は高い。血清の存在下ではl/4~l/8に低下した。IHNウイルスに対する塩化ベンザルコニウムの常用濃度は0.1%程度である。逆性石けんに両性石けんを加えることにより効果が高くなる傾向がある。
1979~1983年(5カ年)の本研究の取りまとめを行なった。1979~1981年の3年間は、消毒剤効力評価法とされる石炭酸係数法を魚病細菌に応用する場合の検討を、1981~1983年はウイルスに対する消毒剤の効力評価のための基礎実験と各種消毒剤の殺ウイルス効果を明らかにした。
研究要報173(1984.3)
