仲村・中山・斎藤・浅井

 アオダイは伊豆諸島での底魚漁業の主要対象魚種で、たて縄で水深120~500mで釣獲される。主漁場は三宅島・八丈島・青ヶ島の近海及び黒瀬である。都海面における水揚高は1956年450トンがピークで1959~1964年にかけて180トン前後でその後は減少している。
 年令査定のため年令形質を調査したところ脊椎骨が最適で、次いで鱗に有効性がみられ、耳石と主鯛蓋骨は不適であることが判った。
 脊椎骨の休止帯は年1回7月を中心に形成される。椎体半径(VP)と尾叉長(L)の関係はL=4.543VP+7.518 尾叉長と体重(W)の関係はW=0.0340L2.8547 成長式はLt=88.3〔1-ℓ-0.0783(t+1.972)〕で示される。
 産卵期は6月が盛期と推定され、生物学的最小型は4令魚(計算尾叉長33.01cm)と考えられる。標識放流を1973年度に5回、67尾を行ったが再捕されなかった。食性は上層性の動物プランクトンが主体であった。

研究要報108(1974.3)

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