古井戸・倉田・川上

 これら両種は館山より東京湾沿岸一帯から三浦半島西側秋谷まで分布する。回游はコウイカでは冬期浦賀水道以南の深所に生息したものが3月頃移動し、大別して湾の東西両岸を北上するものと館山湾に来游する3群がある。4月湾中部沿岸で産卵し、8月以降南下する。シリヤケイカのコウイカと異なる点は館山湾・三崎・佐島方面への回游がない。
 産卵期は共に5月中旬が盛期と考えられ、富岡-大森、金田-浦安付近で産卵する。孕卵数はコウイカで500個、シリヤケイカで380~1877個であった。
 性徴の識別は従来報告されている方法の他、シリヤケイカの腕長で判る。寿命は1年と考えられる。食性はコウイカでエビ類が多く、小型魚類等である。シリヤケイカもほぼ同様である。

研究要報7(1957.1)

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